えびの豆知識|身近なのに意外と知らない種類・寿命・栄養の話

えびの豆知識
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えびの豆知識!身近なのに意外と知らない種類・生態・寿命の話

お寿司、天ぷら、エビフライ、エビチリなど、えびは普段の食事で目にする機会が多い食材です。しかし、生き物としてのえびに目を向けると、加熱すると赤くなる理由や、種類によって大きく異なる寿命、地域ごとの味の違いなど、意外な豆知識がたくさんあります。

世界では、えびや「prawn」と呼ばれる仲間が約4,000種知られています。スーパーやお寿司屋さんで見かけるのは、その中のごく一部にすぎません。身近な食材でありながら、種類や生態を調べ始めると想像以上に奥深い生き物です。

私自身もえびが好きで、お寿司では生えびよりも蒸したえびを選ぶことが多く、一番好きなネタのひとつです。一方、刺身で印象に残っているのは白えびとガスえび。特に金沢で食べたガスえびは、弾力と濃厚な甘みがあり、一般的な甘えびとはまた違うおいしさでした。

この記事では、食事の席や水族館で誰かに話したくなる、えびの種類・生態・寿命・食文化にまつわる豆知識を紹介します。

えびは世界に約4,000種もいる

ひとくちに「えび」といっても、車えび、甘えび、桜えび、白えび、伊勢えび、ロブスターなど、見た目も大きさも暮らし方もさまざまです。

一般にえびやカニ、ロブスターの仲間は「十脚目」に分類されます。名前のとおり、基本的には歩くための脚を5対、合計10本持つ甲殻類です。ただし、小さな遊泳脚や口の周辺にある付属肢もあるため、実際に観察すると「脚が10本より多く見える」と感じるかもしれません。

食用として流通する種類だけを見ても、甘みが強いもの、弾力があるもの、殻ごと香りを楽しめるものなど、それぞれに違いがあります。「どのえびが一番おいしいか」を決めるよりも、好みや料理に合わせて選ぶほうが、えびの魅力を楽しみやすいでしょう。

えびはなぜ加熱すると赤くなる?

生のえびは透明、灰色、茶色、青みがかった色などをしていますが、ゆでたり焼いたりすると赤色やオレンジ色に変わります。この変化には、殻や体内に含まれるアスタキサンチンという色素が関係しています。

生きている状態では、アスタキサンチンがたんぱく質と結びついているため、本来の赤色が目立ちません。加熱するとたんぱく質との結合が変化し、アスタキサンチンの赤色が表面に現れます。カニやロブスターが加熱によって赤くなるのも、基本的には同じ仕組みです。

お寿司の蒸しえびやエビフライが鮮やかな赤色をしているのは、着色しているからではなく、もともと持っている色素が加熱によって見えるようになったためです。食事中に話しやすく、子どもにも説明しやすい豆知識でしょう。

危険を感じると後ろ向きに飛ぶ

水槽の中のえびを見ていると、普段は脚や遊泳脚を使って前方へゆっくり移動しています。しかし、危険を感じたときには腹部と尾を勢いよく曲げ、水を押し出すようにして後方へ飛びます。

これは敵から逃げるための動きで、種類によっては一瞬で水槽の端まで移動するほどの速さがあります。水族館でえびを見つけたら、脚だけでなく、尾の形や移動方向にも注目すると観察が面白くなります。

えびの寿命は何年?種類によって数十倍も違う

えびは小さな生き物なので、どの種類も数か月ほどしか生きないように思えるかもしれません。しかし、寿命は種類によって大きく異なります。1年ほどで一生を終える種類がいる一方、ロブスターの仲間には数十年生きると考えられているものもいます。

種類 寿命の目安 豆知識
桜えび 約15か月 1年余りの短い一生の中で成長し、産卵する
甘えびの仲間 数年 海域や水温によって成長速度と寿命が異なる
ロブスターの仲間 数十年に及ぶことがある 脱皮するため、外見から正確な年齢を判断しにくい

サクラエビの一生は約15か月とされ、幼生は脱皮を繰り返しながら成長します。一方、甘えびとして食べられるホッコクアカエビの仲間は、海域によって3~4年程度から7年以上まで差があると報告されています。

ロブスターは本当に不老不死なのか

インターネットでは「ロブスターは不老不死」という話を見かけることがありますが、これは正確ではありません。ロブスターも病気や捕食、脱皮の失敗などで死ぬため、永遠に生き続けるわけではありません。

ただし、かなり長生きする可能性があるのは事実です。ヨーロッパロブスターには野生で少なくとも50年ほど生きる可能性があるとされる例があり、アメリカンロブスターも正確な年齢を外見だけで判断するのは難しいとされています。脱皮のたびに古い殻を失うため、木の年輪のように簡単には年齢を数えられません。

えびは脱皮しなければ大きくなれない

えびの体は硬い外骨格に覆われています。この殻は体と一緒に伸びないため、成長するには古い殻を脱ぎ、新しい殻へ入れ替えなければなりません。

脱皮直後のえびは殻がやわらかく、外敵に襲われやすい状態です。しばらく身を隠し、新しい殻が硬くなるのを待ちます。おせち料理では、脱皮を繰り返して成長する姿から、出世や成長を願う食材として説明されることもあります。

お寿司で食べるえびは種類によって味も食感も違う

お寿司屋さんの「えび」は、すべて同じ種類ではありません。加熱して甘みと弾力を楽しむえびもあれば、生でねっとりとした食感を楽しむえびもあります。

個人的には、ほどよく火が入った蒸しえびの、しっかりした弾力とすっきりした甘みが好みです。生えびの濃厚さとは違い、酢飯とのバランスがよく、何度食べても飽きにくいところに魅力を感じます。

甘みを楽しむなら甘えび・白えび・ガスえび

刺身で甘みを楽しみたいときに代表的なのが甘えびです。ねっとりとした舌触りと甘さがあり、全国の寿司店や鮮魚店でも比較的見つけやすい種類です。

白えびは、透明感のある淡いピンク色と上品な甘みが特徴です。富山湾では白えびを対象とした専門的な漁が行われ、「富山湾の宝石」とも呼ばれています。刺身では、むっちりとした食感と繊細な甘みを味わえます。

ガスえびは、石川県など北陸で親しまれているえびです。見た目は茶色がかっており、華やかとはいいにくいものの、身には弾力があり、甘みとうま味が濃厚です。鮮度が落ちやすく流通範囲が限られていたため、以前は産地以外で出会いにくいえびでした。

金沢で食べたガスえびも、見た目から想像する以上に味が濃く、今回の記事でぜひ紹介したいと感じた種類です。旅行先で聞き慣れない名前のえびを見つけたら、定番の甘えびと食べ比べてみるのも面白いでしょう。

食感を楽しむなら車えびや加熱したえび

プリッとした弾力を楽しみたい場合は、車えびや、寿司に使われる蒸しえびが向いています。加熱によって身が締まり、生のえびとは異なる歯ごたえが生まれます。

大きなえびが必ずしも味の濃いえびとは限りません。食感を重視するのか、甘みを重視するのか、殻やみその風味を楽しみたいのかによって、選ぶ種類は変わります。

世界一おいしいえびは?好みの分野別に選ぶ

「世界一おいしいえびは何か」と聞かれても、ひとつに決めるのは難しいでしょう。えびのおいしさには、甘み、弾力、香り、みその濃厚さなど、いくつもの方向があります。

重視するポイント 代表的なえび 向いている食べ方
プリッとした弾力 車えび、ブラックタイガー、バナメイえび 塩焼き、天ぷら、エビフライ、蒸しえび
生の甘み 甘えび、白えび、ガスえび 刺身、寿司、海鮮丼
殻ごとの香り 桜えび、川えび、小えび かき揚げ、炊き込みご飯、炒め物
みその濃厚さ ボタンえび、伊勢えび、オマール海老 刺身、みそ汁、焼き物、スープ
普段使いしやすさ バナメイえび、ブラックタイガー エビチリ、炒め物、パスタ、カレー

お祝いの日に大きな車えびを焼くのと、普段の食事で冷凍のむきえびを使うのとでは、求めるものが違います。価格だけで優劣を決めず、料理との相性で選ぶのが現実的です。

地域で変わるえびの種類と食べ方

さまざまな種類のえびが並ぶ鮮魚店の風景

日本は南北に長く、暖かい海から冷たい海、浅瀬から深海まで環境が幅広いため、地域ごとに異なるえびが水揚げされます。

えびの種類 関係の深い地域 特徴・食べ方
甘えび 北海道、日本海沿岸 甘みが強く、刺身や寿司で食べられる
白えび 富山湾 淡い透明感があり、刺身やかき揚げに向く
ガスえび 石川県など北陸 弾力があり、甘みとうま味が濃厚
桜えび 静岡県・駿河湾 殻ごと食べられ、かき揚げや炊き込みご飯に使われる
車えび 西日本を中心とした各地 弾力があり、塩焼きや天ぷらに向く
バナメイえび 海外での養殖品が多い 手頃でサイズがそろいやすく、幅広い料理に使える

国内で桜えび漁が行われるのは駿河湾だけ

桜えびは駿河湾以外の海域にも生息していますが、日本国内で桜えび漁が認められているのは駿河湾だけです。静岡県では、春と秋の年2回を中心に漁が行われ、資源を守るために漁獲量や操業方法が管理されています。

桜えびは殻や脚まで丸ごと食べられるため、小さいながら香りが強く、かき揚げや炊き込みご飯にすると存在感があります。生、釜揚げ、素干しでは食感も香りも異なるので、同じ桜えびでも食べ比べができます。

えびは縁起物!おせち料理に入る理由

おせち料理にえびが使われる代表的な理由は、長寿への願いです。長いひげを持ち、加熱すると腰が曲がったような姿になることから、「腰が曲がるまで元気に長生きできますように」という意味が込められています。

さらに、脱皮を繰り返して成長することから、出世や成長の象徴として説明される場合もあります。鮮やかな赤色も祝いの席に合うため、お正月だけでなく、結婚式や長寿祝いなどでえび料理が使われてきました。

意味を知らなくてもおせちは楽しめますが、家族で食べるときに「えびは長生きの願いが込められている」と話せば、毎年見ている料理の印象が少し変わります。

えびは栄養がない?実際は高たんぱくで低脂質

えび料理と野菜が並ぶ明るい食卓

「えびは栄養がない」と思われることがありますが、生の甘えびやバナメイえびは、可食部100gあたり約20gのたんぱく質を含み、脂質は比較的少ない食品です。

食品・可食部100gあたり エネルギー たんぱく質 脂質 カルシウム 食塩相当量
バナメイえび・養殖・生 82kcal 19.6g 0.6g 68mg 0.3g
甘えび・生 85kcal 19.8g 1.5g 50mg 0.8g
桜えび・素干し 286kcal 64.9g 4.0g 2,000mg 3.0g

数値は文部科学省「日本食品標準成分表」によるものです。

乾燥桜えびの数値が高いのは栄養が濃縮されるから

素干しの桜えびは、水分が少なく、殻や脚も丸ごと食べるため、100gあたりのたんぱく質やカルシウムが生のえびより多くなります。

ただし、素干し桜えびを一度に100g食べることはあまりありません。表の数字だけを見て、生のえびより何十倍も優れていると考えるのではなく、実際に食べる量で考えることが大切です。

素干し桜えびは塩分も濃縮されているため、料理の主役として大量に使うより、炒め物やお好み焼き、炊き込みご飯へ少量加え、香りと食感を生かす使い方が向いています。

アスタキサンチンは「赤くなる色素」として覚える

えびに含まれるアスタキサンチンは、抗酸化作用について研究されているカロテノイドの一種です。ただし、えびを食べれば老化を防げる、免疫力が上がるといった効果を単純に断定することはできません。

豆知識としては、「えびが加熱で赤くなる原因となる色素」と覚えておくのが分かりやすく、食事中の会話にも使いやすいでしょう。

プリン体やコレステロールは食べ方全体で考える

えびにはプリン体やコレステロールも含まれています。そのため、尿酸値や脂質について医師から食事指導を受けている人は、種類や量を自己判断で決めず、指導内容に合わせる必要があります。

一方で、健康な人が普段の食事で数尾食べただけで、すぐに問題になるとは限りません。エビフライやエビチリのカロリーは、えびそのものよりも、衣、油、ソース、砂糖などの影響も受けます。「えびはヘルシー」「えびは体に悪い」と食材だけで決めつけず、料理全体で考えるほうが実用的です。

えびアレルギーには注意が必要

えびは食物アレルギーの原因になる食品です。日本では、容器包装された加工食品に使用した場合、表示が義務づけられている特定原材料に含まれます。えびアレルギーがある人は、えびそのものだけでなく、だし、スープ、練り物、揚げ油の共用などにも注意が必要です。

天然と養殖はどちらがおいしい?表示を見るときのポイント

天然えびは身が締まっていて味が濃く、養殖えびは味が劣ると説明されることがありますが、必ずしも単純に分けられるものではありません。

味や食感は、種類、育った水温、餌、鮮度、冷凍・解凍方法、調理法などの影響を受けます。養殖でも適切に管理されたえびは品質が安定しており、サイズがそろっているため、エビフライや炒め物では使いやすいという利点があります。

商品を選ぶときは、「天然・養殖」だけで判断せず、次の点を確認すると選びやすくなります。

  • えびの種類
  • 原産国や原産地
  • 生食用か加熱用か
  • 殻付きか、むきえびか
  • 解凍品か冷凍品か
  • 料理に合う大きさか

生食用と加熱用は別物

新鮮に見えるえびでも、「加熱用」と表示されているものを刺身で食べることはできません。生で食べたい場合は、必ず生食用として販売されているものを選びます。

冷凍えびは、商品に記載された方法に従って解凍するのが基本です。急いで高温の水に浸けると、表面だけ温まり、水分や食感を損なう場合があります。

水族館で使えるえびの豆知識

えびの豆知識は、食事中だけでなく水族館でも使えます。水槽の前で観察しやすいポイントをまとめました。

観察するところ 話せる豆知識
えびやカニの仲間は十脚目で、基本となる歩脚は5対ある
危険を感じると、尾を強く曲げて後方へ飛ぶ
成長するために、古い殻を脱いで新しい殻へ替える
触角 周囲の環境や化学物質を感じ取るために使われる
加熱すると、隠れていたアスタキサンチンの赤色が目立つ
種類 世界では約4,000種のえび・prawnが知られている

魚を掃除するえびもいる

えびの中には、魚の体表についた寄生生物や古い組織などを食べる「クリーナーシュリンプ」と呼ばれる仲間がいます。魚がえびの近くで動きを止め、掃除を受けるような行動を見せることもあります。

水族館で魚のそばにいる小さなえびを見つけたら、単に隠れているのか、魚の体へ近づいて掃除をしているのか観察してみると面白いでしょう。

えびの豆知識まとめ

えびは、食材として身近でありながら、種類や生態を知ると印象が大きく変わる生き物です。

  • 世界には約4,000種のえびやprawnが知られている
  • 加熱すると赤くなるのはアスタキサンチンが関係している
  • 危険を感じると尾を使って後ろ向きに飛ぶ
  • 寿命は約15か月の桜えびから、数十年生きる可能性があるロブスターまで幅広い
  • 白えび、ガスえび、甘えびでは甘みや食感が異なる
  • おせちのえびには長寿や成長への願いが込められている
  • 高たんぱくで低脂質だが、調理法や食べる量も含めて考える必要がある

特に覚えやすいのは、「加熱すると赤くなる理由」と「種類によって寿命が大きく違うこと」です。次にお寿司を食べるときや、水族館でえびを見つけたときには、種類、色、脚、尾の動きにも注目してみてください。

蒸しえびの弾力、白えびの上品な甘み、ガスえびの濃厚なうま味、桜えびの香ばしさなど、えびのおいしさにもさまざまな方向があります。身近な食材だからこそ、種類を知って食べ比べると、新しい好みが見つかるかもしれません。

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この記事を書いた人

家政学を学んだ後、生活情報誌の編集部で5年間、料理・掃除・季節行事などの暮らし系コンテンツを担当。現在はフリーランスとして活動しながら、豆なびの記事制作に携わっています。

「これ、誰かに話したい」と思える豆知識を集めるのが日課で、気づけば雑学メモが増え続ける日々。難しいことをやさしく、ふとした疑問をそっと解決できる記事づくりを心がけています。

得意ジャンルは料理・掃除・季節のイベント・動植物の雑学など。暮らしの中にある小さな「へぇ〜」を、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。

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